Cisco社におけるSoftwareのライフサイクルポリシーの変更があり、少し分かりにくいので簡単にまとめておきたいと思います。
この記事ではIOS XEを例にします。
IOS XEのSoftware Versionについて
IOS XEのSoftware Versionの採番方法に関しては変更はないのですが、この記事のさらなる理解のために解説します。
トレインID(リリース名)
これはいわゆるコードネームで採番される前に仮につけられていた名前だと思っていたのですが、いつの間にかSoftware Versionを示す正式な名前となったようです。
しかし、このリリース名よりも数字のVersionの方がより簡単にイメージしやすいと思うので、私個人的にはこのリリース名を日常的に使うことはありません。。
メジャーリリース番号
2022年11月現在で最新のメジャーリリースはVersion 17となります。
欠番がない限り次のメジャーリリースはVersion 18になります。
マイナーリリース番号
同一メジャーリリース内で、新しいHardwareのサポートであったり、大規模な変更が加えらリリースとなります。概ね4ヶ月毎に17.1、17.2とリリースされていきます。
メンテナンスリリース番号
マイナーリリース毎に定期的に不具合を改修しリビルドしたものです。
この数字は単純に大きい方がリビルド回数が多いということになるため(若版と比べて)安定稼働が期待できます。
オプションの特別なリリースの識別子
定期的なメンテナンスリリースとは別に重大な不具合を改修する必要がある場合にリリースされます。
この識別子は小文字アルファベットで表されます。
IOS XE延長サポート ソフトウェアリリース
IOS XEには「標準サポート」リリースと「延長サポート」リリースが存在します。
延長サポートリリースはマイナーリリース番号が3の倍数のリリースを指します。
例えば、IOS XE Version 17では17.3、17.6、17.9等が延長サポートリリースとなり、それ以外が標準サポートとなります。
延長サポートのライフサイクル
延長サポートリリースはFCS(First Customer Shipment)から36ヶ月間のサポートを提供します。
IOS XE 17.3.1等、各マイナーリリースの一番最初のソフトウェアがリリースされたテイミングから3年間Cisco社によるソフトウェアリリースのメンテナンスを受けることが可能です。
もう少し具体的には、
- EoL発表日:FCSから12ヶ月後
- 販売終了(EoS)日:EoL発表日から6ヶ月後
- ソフトウェアメンテナンスリリース終了日:販売終了日から12ヶ月後
- End-of-Vulnerability and Security Supportの日:販売終了後から18ヶ月後
- サポートの終了日:販売終了後から3年後
となります。
ですので、FCSの日から利用を開始したとして、
12 + 6 +36 = 54
で最大54ヶ月後にLast Day of Supportの日を迎えるということになります。
標準サポートのライフサイクル
標準サポートリリースは延長サポートと比較して少し短くなります。
もう少し具体的には、
- EoL発表日:FCSから3ヶ月後
- 販売終了(EoS)日:EoL発表日から3ヶ月後
- ソフトウェアメンテナンスリリース終了日:販売終了日から6ヶ月後
- End-of-Vulnerability and Security Supportの日:販売終了後から6ヶ月後
- サポートの終了日:販売終了後から3年後
となります。
ですので、FCSの日から利用を開始したとして、
3 + 3 + 36 = 42
で最大42ヶ月後にLast Day of Supportの日を迎えるということになります。
End-of-Vulnerability and Security SupportはEoS日から6ヶ月後となりますので、長期間の利用は想定されない方が良いと思います。
まとめ
この記事ではIOS XEの各リリースのFCSからLast Day of Supportまでの道のりをまとめてみました。Cisco社のポリシーは変更となる可能性もありますのでCisco社HPを参照し最新の情報を取得していただければと思います。