今回は、Meraki MRにおけるWireless Mesh機能に関して少しだけ深掘りしてみました。
Wireless Mesh機能に関しては、以前に設定部分に関してまとめてありますので、まずはそちらを参照してください。
検証構成
今回検証で利用した機材は、
・Mesh Gateway AP : CW9176
・Mesh AP : MR57
となります。
今回の検証機器のポイントとしてはどちらも6Ghzに対応しているということ。
2.4Ghz、5Ghz、6Ghzの3つの周波数に対応したAPでWireless Meshがどのように機能するのか?を検証します。
また、CW9176はWiFi7、MR57はWiFi6eに対応した製品となりますので、公平を期すためWiFi7機能はDisableにして検証を行います。

Wireless Mesh稼働状況確認
APの一覧を確認します。
APが動作している3つの周波数帯のチャンネルに注目してみると、どちらも5Ghz帯である100Chを利用している事が分かります。
これによりWireless Meshのバックホールとして5Ghzを利用している事が分かります。

Mesh APの詳細を確認してみます。
ライブメッシュネイバーにおいてもバックホールとして100chが利用されている事が分かります。

注意:バックホールで使用する周波数帯を選べない
今回の検証環境では自動でバックホールとして5Ghzが利用されました。
スクリーンショットとして取得することは出来なかったのですが、6Ghzを利用していたタイミングもありました。
Meraki Dashboard上ではバックホールとしてどの周波数帯を優先的に使わせたいのかを設定する項目はなく、それぞれの環境において最も最適な周波数帯を利用することとなるのは注意です。
Mesh GatewayとMesh AP間の電波品質が悪い環境においては最悪の場合2.4Ghzが使われる可能性もありえます。
2026年1月現在では、クライアントとして6Ghzをサポートしていない端末もまだ多く実環境には存在し、Wireless Meshを組む場合にはバックホールを6Ghzにしたいケースが多いと思いますが、MerakiでMeshを組む場合は環境次第ということになってしまいます。
試験1:Mesh Gatewayのスループット
Wirelss Mesh環境におけるスループット試験を行ってみます。
まずはベースとなるスループットの確認として、無線クライアントをMesh Gatewayにアソシエーションさせて計測を行いました。
利用する周波数はバックホール部分と同じ5Ghzとします。

iPhone17 ProのSpeedtestアプリで5回計測します。

平均値として、
ダウンロード : 827Mbps
アップロード : 477.6Mbps
となりました。
試験2:Mesh APのスループット
次にMesh APにクライアントをアソシエートさせて計測します。
利用する周波数はバックホールと同じ5Ghzとします。


平均値として、
ダウンロード : 487.4Mbps
アップロード : 233.6Mbps
となりました。
一般的にWireless Meshにおいてはバックホールと同じ周波数をクライアントが利用した場合、Mesh APを1Hopする度に50%のスループットになると言われています。
今回の検証においては、
ダウンロード : 59%
アップロード : 49%
までスループットが落ちてしまった事が確認されました。
Wireless LAN環境においては基本的には同時に1つの端末のみが通信可能となっているためです。
「クライアント <-> Mesh AP」間と「Mesh AP <-> Mesh Gateway」間で同じ周波数を使っている場合には、同時通信が出来ないためこのような結果になります。
また、スループットだけではなく、遅延も大きくなります。
Mesh Gatewayにアソシエートした場合の試験においては、最大遅延が22msecとなっていますが、

Mesh APにアソシエートしている場合は、274msecとなっている事が分かります。

サンプルとしてそれぞれ1回目の試験結果のみをアップしていますが、それぞれ5回において同様の結果となりました。
試験3 : 6Ghzを利用した場合のスループット
最後にクライアントが利用するSSIDを6Ghzにしてスループットを計測してみました。
バックホールでの5Ghzと棲み分けることが出来たので、スループットの向上が期待できます。


平均値として、
ダウンロード : 684.2Mbps
アップロード : 495.8Mbps
となりました。
これは、
ダウンロード : 83%
アップロード : 103%(?)
となり、アップロードの103%は若干謎(計測タイミングの問題?)ですが、スループットのダウンを限りなく抑えられることが確認できました。
遅延に関しては、無線部分を2回通過するので大きめの数値にはなってしまいます。

まとめ
今回はWireless Meshにおける各パターンのスループットを計測してみました。
MerakiにおけるWireless Meshにおいてはバックホールで使用する周波数帯を選択できないということもあり、この検証に意味があるのか?は少し疑問は残りますが、以前から言われている1Hop毎にスループットが半減するというのは概ね正しい数値が出たのでまずは良しとします。
また、この検証はコンディションの良い環境で行ったものです。
Wireless Meshにおける、クライアントから見たWireless Networkの品質というのはWireless Meshを構成する規模や環境によって大きく変わるため、手放しに推奨するものではありません。
Wireless Meshを検討する際によく聞く、「UTPを引きたくない」という理由だけで事前検証無しで実導入を行うことだけは避けた方が良いと思います。