Merakiの各デバイスはMSをL3で使うことは除いてDHCPでIPアドレスを取得して利用することが推奨となっています。
Merakiデバイスは起動時にIPアドレスをDHCPで取得し、Meraki Cloudと通信を行うことによってゼロタッチでプロビジョニングが可能となり、特に無線アクセスポイントの様に多くの台数をばら撒く様な場合には一台一台に固定IPを設定するのもなかなか大変な作業となります。
しかし、現実的にはまだまだNetworkデバイスに関しては固定IPで運用されている企業も多いと思いますので、今回はMeraki MRを初期化状態で固定IPを設定する手順をまとめておきます。
1.事前準備:Mesh機能をDisableにする
これは必須では無いですが、Merakiではデフォルトで無線Mesh機能を有効になっています。
過去にもMeraki MRを使う上で最初にやっておくデフォルト値の変更の記事をまとめておきましたが、固定IPを設定する上でMesh機能が誤って動作してしまう可能性があるので必要ない場合はDisableにしておきます。
2.MRの電源を投入する
まずはMRの電源を投入します。
上位SwitchからPoE給電を行う方法が一般的ですが、この時に誤ってDHCPでIPアドレスを取得できない容態である必要があります。
(そもそも今回の記事の主旨としてDHCP環境ではないのが前提なのでここが問題になることは無いと思いますが。)
PoE Switchからの給電意外にも、Power Injectorからの給電やACアダプタからの給電でも問題ありません。
3.初期設定用SSIDに接続
MRの電源投入後しばらくすると初期セットアップ用のSSIDが見えてくると思います。
機種や場合によって若干のSSID名が異なりますが「meraki-scanning」のようなSSIDが見えると思いますのでこれに作業用PCをアソシエートさせます。
10.x.x.xでIPアドレスが取得されていることを確認します。
4.ローカルステータスページにアクセス
作業用PCからMRのローカルステータスページへアクセスします。
http://my.meraki.com
にWebブラウザからアクセスします。
「Config」タブをクリックし、固定IPの設定を開始します。
ユーザ名、パスワードを入力するポップアップが表示されますので、ユーザ名としてMRのシリアル番号を入力します。
パスワードの入力の必要はありません。
5.固定IPの設定を行う
後は固定IP設定を行うだけです。
IP assighnmentをStaticに設定し、MRに設定したい固定IP、サブネットマスク、Default Gateway、DNSサーバの設定を行います。
MRと上位スイッチ間をTrunkの設定にしたい場合は、先に投稿した記事を参考にしてみてください。
MRの管理IPをNative VLANで設定する場合においてはVLANの項目は何も入力する必要はありません。VLANの項目にVLAN IDを入れた場合はそのVLAN IDでタグが付けられる挙動になります。
最後にSaveボタンをクリックして終了になります。
その後、一度MRの再起動を行うことをお勧めします。
6.Meraki Dashboardからの確認
先に設定したIPアドレスでInternetへの通信が可能なSwitchにMRを接続します。
暫くするとMeraki Dashboardで該当のStatusがグリーンになると思います。
この際、Dashboardに設定されているFirmwareへの更新等が自動で行われますので、少し気長に待つ必要があります。
(これは固定IP云々には関係なく、DHCP環境でも同様)
Meraki Dashboardからも固定IPで設定されていることが確認できます。
まとめ
今回はMeraki MRを固定IPで設定する方法をまとめました。
繰り返しとなりますが、Merakiにおいては可能な限りDHCP運用をされる方が圧倒的に楽ですしおすすめとなります。
また、MerakiにかんしてはCiscoデバイスの様にコンソールポートを持っていませんので、CLIで設定することもできません。
今回は1台のMRだけなので大した話ではありませんが、多くのMRの設定を行うのにはかなりの労力が必要になってしまうことは理解しておく必要があります。