従来のIOS-XEにおけるVLANの設定はデバイス(Catalyst)毎にVLANデータベースを作成していたと思います。
MerakiにおいてもIOS-XEで動作するCatalyst9000シリーズのサポートが開始され、内部的にはVLANデータベースを所持して動作しているのですが通常用途ではそれを意識しないように作られています。
Meraki管理(Copnfiguration Cloud)におけるCloud Native IOS-XEのVLANデータベースの動作についてまとめてみたいと思います。
DefaultのVLANデータベースの確認
Configuration CloudモードのCatalyst9000シリーズにてDefaultでのVLAN Databaseがどのようになっているのかを確認してみます。
クラウドCLIを使って「show vlan」を確認します。


出力結果が長いので割愛しますが、DefaultのVLANも含めて合計1004のVLANが自動で作られていることが分かります。
今回検証で使用している機材はCatalyst9300です。
Catalyst9300におけるVLANの最大数は(Defaultを除き)1000となっているため、もうこれ以上のVLANの作成は出来ない状態で動作していることになります。
例えば、VLAN#1006以上のVLANを作成したい場合でもこの状態ではこれ以上追加できないことになってしまいます。
VLANデータベース機能の有効化
Networkの環境においてはVLAN#1006以上を使いたいケースも出てくると思います。
そのような場合にも対応できるようにMerakiにおいてもVLANデータベースの操作が可能になりました。
2025年10月初旬現在ではこの機能はベータ機能となりますので有効化が必要です。
「オーガナイゼーション > 設定 > 新機能を試す」へ移動し、「VLANデータベース」を有効にします。

IOS-XE 17.18が存在する環境においてはこの機能の有効化は必須のようで、このスクリーンショットのように既に有効になりグレーアウトしている可能性もあります。
VLANプロファイルの設定
従来のVLANデータベースは、各デバイス単位で行っていましたが、MerakiにおいてはVLANプロファイルとして雛形を作成し、その後各デバイスに紐付けるという流れで設定を行います。
「ネットワーク全体 > 設定 > VLANプロファイル」へ移動します。
「VLANプロファイル」タブから「VLANプロファイル追加」をクリックします。

今回はVLAN1〜10に制限したProfileを作成したいと思います。
各設定項目を埋めて「プロファイルの変更を保存」をクリックします。

正しくVLANプロファイルが作成されていることを確認します。

次にデバイスにVLANプロファイルをマッピングします。
「プロファイルの割り当て」タブへ移動します。
VLANプロファイルのマッピングしたいデバイスにチェックを入れて、「プロファイルを割り当てる」をクリックします。

適用したいVLANプロファイルを選択します。

これでVLANプロファイルの設定は完了です。
設定がデバイスに反映されるまで数分待ちます。
VLANデータベースの再確認
改めて「クラウドCLI」でVLANデータベースの内容を確認します。

見事VLAN1〜10のみが表示されていることが分かります。
まとめ
Merakiの良さは、Networkの難しい部分を極力見せないようにDashboardが作れていることなのですが、既存のNetoworkとの接続を行うにあたってそれが逆に分かりにくい結果にもなり得ると思っています。
これまでのMeraki Firmwareだけであればそれでも良かったのかもしれませんが、Catalyst9000シリーズがiOS-XEで動作するようになっているため、これまでのIOS-XEにおける挙動を極力踏襲する流れになってきていると思います。
本件とは別の話になりますが、Cloud Native IOS-XE 17.18からRSTP+のサポート等も開始になっており、MerakiにおいてもこれまでのIOS-XEで行っていたネットワークデザインにて構築が可能なようになってきました。