PoEの規格について

本日はPower over Ethrnet(PoE)の企画についてまとめたいと思います。
今やNetworkにおいてPoEは無くてはならない存在となっています。
PoE技術はIP-Phone、無線Access Point、IP監視カメラ等で利用されています。

 

Cisco Inline Power

LANケーブル(UTP)を介して電源を供給する仕組みの元祖はCisco Inline Powerになると思います。
2000年に製品化がされ最大7Wの電源供給が可能となります。
Cisco先行標準PoEとも呼ばれていました。
2022年現在Cisco Inline Powerに対応した製品は存在しないと思います。

 

PoE:IEEE802.3af

Cisco独自企画から遅れること3年、IEEE802.3afとして標準化が行われました。
最大15.4Wの電源供給が可能です。

 

PoE+:IEEE802.3at

2009年に最大30Wの供給能力を持ったIEEE802.3atが標準化となりました。

 

UPOE

ここで少しややこしいのがUPOEの存在です。
2022年現在、メジャーなPoE規格の一つとして存在しているUPOEですが、これはIEEEで標準されているものでは無く、Inline Powerと同様にCisco Systemsによる独自規格の物となります。
最大60Wの電源供給能力を持っています。

 

UPOE+

UPOEと同じくCisco独自の規格でUPOE+となります。最大90Wの電源供給能力を持っています。

 

PoE++:IEEE802.3bt

そして最新のPoE規格として2018年にIEEE802.3btが標準化となりました。
Type3として60W、Type4として99Wをサポートしますが、同じ60Wの能力を持つCisco UPOEとは別の規格となりますので、PoEデバイスのDatasheetの記載において注意が必要です。
またこのPoE++という言葉はあまりメジャーでは無く、誤解も含めてUPOEと言われるケースも多くあるようです。

 

まとめ

PoEの規格も通称とIEEE標準、そしてベンダー独自の機能が存在します。RFP等の記載において十分に理解しておく必要がありますので改めて表にまとめておきたいと思います。

規格 標準 最大供給電力
Cisco Inline Power Cisco独自 7W
PoE IEEE802.3af 15.4W
PoE+ IEEE802.3at 30W
UPOE Cisco独自 60W
UPOE+ Cisco独自 90W
PoE++ IEEE802.3bt 60W/99W

2023年1月30日:UPOE+に関して追記しました。