mGigとNBASE-Tの違いって?

これまでのUTPによるEthernetといえば、

といった感じで10Mbps、100Mbps、1Gbps、10Gbpsと10倍単位で新しい規格がリリースになってきました。
それが突然2.5Gbps、5Gbpsのようにある意味中途半端なスピードの新しい規格が出てきました。
時によりmGig(エムギグ)、NBASE-Tと呼ばれたりするその規格に簡単にまとめておきます。

 

IEEE802.3bz

先の無線LANの記事でも触れましたが、有線Ethernetも同様にIEEEが規格を定めています。
2016年に2.5GBASE-T、5GBASE-TをIEEE802.3bzとして規格されました。
では何故このIEEE802.3bzはmGIG、NBASE-Tと呼ばれているのでしょうか?

 

NBASE-T

2016年のIEEEによる規格の策定から遡ること2年、Cisco Systemsを中心とした幾つかの企業がNBASE-Tアライアンスを設立しUTPによる1Gbpsから10Gbpsの間を埋める独自企画を開発したことからNBASE-Tという言葉が現在も残っているのです。
Ciscoを始めNetwork機器メーカーはIEEEよりも先行してメーカー独自の通信規格を開発し機能の差別化を行うことがしばしば見受けられます。このNBASE-Tアライアンスとは別に同様のアライアンスであるMGBASE-Tアライアンスというのも存在していたようです。

 

mGig

mGigに関しては調べてみたのですが、言葉の由来は分かりませんでした。一般的なEthernetの物理規格はUTPの場合、「xBASE-T」と呼ばれておりもちろん2.5GBASE-T、5GBASE-Tとも呼ばれたりします。しかし中々言い難かったりしたのかそれらを総称してmGigってなったんだろうなと推測していたりします。
どなたか、この言葉がどこから出てきたのかご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

 

何故、2.5G、5Gの通信規格が必要だったのか?

そもそもIEEE802.3bzが策定される2016年よりはるか前、2006年に10GBASE-TであるIEEE802.3anが標準化となっています。
10GbpsによるUTPの規格があるにもかかわらず、何故IEEE802.3bzが必要だったのでしょうか?
それはこれまで一般的に使用されていたUTP CAT.5eケーブルが使えずCAT.7ケーブルへの配線のやり直しが必要となったためです。
NBASE-T改めIEEE802.3bzはCAT.5eケーブルがそのまま利用できることを前提に規格開発が進められたので10GBASE-Tよりも一気にメジャーな存在へとなったのです。

 

おまけ

結構調べるの大変だったりするので各IEEE標準規格をまとめておきます。

規格

IEEE標準

対応ケーブル

10BASE-T

IEEE802.3i

CAT.3

100BASE-TX

IEEE802.3u

CAT.5

1000BASE-T

IEEE802.3ab

CAT.5

2.5GBASE-T

IEEE802.3bz

CAT.5e

5GBASE-T

IEEE802.3bz

CAT.6

10GBASE-T

IEEE802.3an

CAT.6A