今回は少しレアなシチュエーションかもしれませんが、Catalyst9000シリーズを完全初期化する方法をまとめておきます。
この完全というのがポイントでCatalyst内のFlash等に残されている全ての情報を初期化し工場出荷時に近い状態にする方法となります。
1.事前準備
後にも触れますが、この作業を行うとCatalyst9000内に保存されているIOS-XEイメージも削除されてしまいます。
ですので事前にCisco社HPからIOS-XEイメージをダウンロードしておく必要があります。
今回はその手順は割愛させていただきます。
また、ダウンロードしたIOS-XEイメージをUSBメモリにコピーしておきます。
2.初期化手順
Catalyst9000にコンソール接続を行います。
Globalコマンドにて、
Switch#factory-reset all
と入力します。
そうすると、
The following will be deleted as a part of factory reset:
1: Crash info and logs
2: User data, startup and running configuration
3: All IOS images, including the current boot image
4: User added rommon variables
5: OBFL logs
6: Data on Field Replaceable Units(USB/SSD/SATA)
これらの全ての情報を削除する旨のメッセージが表示されますので正しく理解しておく必要があります。
特に注意が必要なのは3番の全てのIOSイメージの削除の部分です。
先に用意したIOS-XEイメージが無いと、この後このコマンドを承諾すると一切ブートできなくなりますので、注意が必要です。
Are you sure you want to continue?
で承諾を行うとFlash内の全ての情報がフォーマット後再起動が行われ、ROMMONモードで起動します。
switch:
のプロンプトが表示されたらROMMONモードで起動したことになります。
この状態で1.で用意したUSBメモリーをCatalyst9000のUSBスロットに接続します。
switch: boot usbflash0:cat9k_lite_iosxe.17.09.03.SPA.bin
bootコマンドでUSBメモリ内のIOS-XEイメージを指定し、ブートを行います。
設定ファイルも消された状態で起動するので初期セットアップのWizardが出てきますので"no"で回避します
Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]: no
この状態ではまだFlash内にIOS-XEイメージは入っていないので、改めてUSBメモリーからFlashにIOS-XEイメージをコピーします。
Switch#copy usbflash0:cat9k_lite_iosxe.17.09.03.SPA.bin flash:
コピー完了後リブートを行い無事起動できれば作業完了です。
まとめ
検証用共有機材等でCatalystを使う場合、不要な情報がFlash内に残ってしまったりお客様情報が入ったコンフィグファイルが残ってしまったりする場合がよくあります。
最悪の場合はお客様名をコンフィグのバックアップファイルにしていたりする場合もあったりします。
そう言ったちょっとした事故を防ぐために、少し手間ではありますが検証が終わったタイミングでこの完全初期化を行うことをお勧めします。