先にMeraki MXにてWANの冗長化を行った場合に、WANの切り替わりに最大5分必要となる旨を記事としてまとめました。
この5分(300秒)と言うのはMeraki Documentにも記載されており実体感上もそれくらいの感覚でいましたが実際に計測したわけでは無いので、本日実際にWANインターフェースが切り替わる時間について計測しながらまとめていきたいと思います。
WAN Failoverのロジックについて
WANインターフェースのFailover検出のロジックを改めて簡単にまとめておきます
・WANインターフェースダウン
これはシンプルです。
WANインターフェースがダウンした場合は数秒内に別のWANインターフェースへ切り替わります。
・Internet障害時
WANインターフェースはダウンしないながらもInternetへの疎通性を失った場合となります。
MXから定期的にICMP、DNS、HTTP通信を行い、5分(300秒)間疎通が失われた場合にInternetダウンとみなされます。
テスト構成
テスト構成としては、今回のテストとは直接関係のないMXにVLANを2つ作成し1つはHUBを介してWAN1に接続、もう1つはWAN2に直接接続としました。
上位のMXとHUB間のケーブルの抜き差しによってWAN1のInternetサービスの障害を表現することになります。
MacOSのターミナルでPingを打ち続け、欠損時間を(手動で)計測します。
試験環境はMX64(Version 17.10.2)となります。
テスト1 : アップリンク・ロードバランシング無効
まずはMXの設置でインターネットアクセスに対してロードバランスを無効にした状態で確認します。
試験を5回行い、結果としては、
・1回目 : 2分51秒
・2回目:1分43秒
・3回目 : 2分9秒
・4回目 : 2分23秒
・5回目 : 2分14秒
となりました。
明らかに5分とはかけ離れた結果となっています。
テスト2:アップリンク・ロードバランシング有効
今度はロードバランシングを有効にして試験を行います。
テスト1と同様に5回測定を行います。
この設定ではロードバランスをしてしまうためどちらの回線を利用しているのか分からないため直前にWAN2を抜いてWAN1側に寄せた後にWAN1を抜いて計測しています。
・1回目 : 1分36秒
・2回目:1分58秒
・3回目 : 1分3秒
・4回目 : 2分00秒
・5回目 : 1分37秒
まとめ
それぞれの試験の回数は5回とサンプル数が少ない状況ではありますが、Meraki Documentに記載されている5分もの長い期間通信が途絶えるということは無く、最大でも3分という結果となりました。
またロードバランシング 無効時・有効時での時間差に関しては約30秒ほどロードバランシング有効時の方が短く切り替わっています。
これはサンプル数が少ないことが原因なのか、ロードバランシングの機能が影響しているのかは不明ですがどちらにせよ5分という数字とはかけ離れた時間という結果です。