Meraki MR 今度はApple FacetimeでFast Laneの検証を行ってみた。謎は深まるばかり

前回は新しくリリースされたWebex AppでFastLaneの再検証を行いました。
謎だったDSCP値Unknownは無事(?)EFでマーキングされることが確認されました。

今回はCisco社のAppではなくiOS標準のFacetime Appを使って検証を行ってみます。

1.Default設定時のDSCP値の確認

まずは、Systems Managerの設定を行っていない状態でDSCP値、WMMのACの確認を行います。

音声パケットはDSCP値はEFとして、WMMはAC_VO(6)として処理されていることがPacket Captureで確認できました。

2.Systems ManagerでQoSを有効化

Systems ManagerにてiPhoneに「QoSマーキングを許可」の設定を行います。
これは過去の経験上「1.」のDefault時の挙動と同じようになるはずです。

この状態でDSCP値、WMMの確認を行います。

想定通りDSCP値はEF、WMMはAC_VOとして処理されています。

3.QoSをマーキングを制限

次にSystems ManagerにてQoSマーキングを制限してみます。

iPhone上で設定が反映されていることを確認しておきます。

この状態でのDSCP値とWMMは下のスクリーンショットの通りDSCPはCS0、WMMはなんとAC_VO(6)で処理がされています。

これは謎な結果となりました。
QoSマーキングはしない設定となっていますのでDSCPはCS0(マーキング無し)なのは理解できるのですが、WMMはAC_VOとなり優先制御されていることになっています。

4.Facetimeを優先設定

次にFacetime AppのみQoSを有効にする設定を行います。

iPhoneでも設定を確認しておきます。

この状態でのCaptureを確認します。

QoSマーキングの対象となっているはずのFacetime Appですが何故かDSCP値はCS0、WMMはAC_BEとなってしまっています。

5.Apple audio/voice callingの許可設定を行う

Apple純正のAppの例外設定を行います。

iPhoneの設定も確認します。

この状態でのCaptureを確認します。

結果は試験「4.」と同じなりました。
Apple純正のAppを優先制御にする設定を行なっているはずなのですがCaptureを見る限りは正しく機能していないようにも見えます。

6.Appleの許可を行いつつFacetimeの優先設定を行う

次に試験「4.」と「5.」を合わせた設定を行います。
Apple製Appの優先設定を行いつつもFacetimeをリストに入れてた設定を行います。

iPhoneでも設定を確認しておきます。

この状態でのCaptureを確認します。

この設定を行ってもDSCP値はCS0、WMMはAC_BEとなりました。

まとめ

Meraki MRではFast LaneのDisable化は出来ないためこれ以上の詳細を追求することは難しいのですが、おそらくFacetime Appは標準ではDSCPおよびWMMによる優先制御は行われないのだと推測します。
Cisco社とApple社の連携によりFast Laneが有効なWLANにおいてはQoSマーキングが行われるのだと思います。
しかし、Meraki Systems Managerの設定でQoSマーキングを無効にした後にFacetime AppのみもしくはApple純正AppのみQoSマーキングを行う設定は何故か(Bug?)意図した動作が行われていないことも確認しています。
個人的にはFacetime Appはビジネスで利用されることは多く無いと思いますので仮にQoS設定がマーキングされないことになったとしてもダメージとしては大きくは無いのだろうと思ってはいます。